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2025/12/24 15:24

はじめに

GRASTONEは、自動車部品メーカーの新規プロジェクトから誕生した革新的なキッチンツールです。
自動車業界ではEVシフトや半導体不足による生産調整など、先行きが不透明な状況が続いていました。その中で、新たな挑戦としてキッチン用品開発プロジェクトが立ち上がり、GRASTONE POTTの開発が始まりました。


開発のきっかけ

開発者の鋳鉄琺瑯鍋に関する苦い経験が、プロジェクトの原点でした。

  • 重さのストレス
    鋳鉄琺瑯鍋で作る料理は美味しいものの、調理器具の中で最も重く、洗い物担当として常に負担を感じていた。

  • 焦げ付きとメンテナンスの難しさ
    ローストビーフに挑戦した際、強烈に焦がしてしまい、ホーローは金属たわしでこすると傷がつくため、焦げが落とせず妻に叱られた。

  • 蓋の置き場問題
    調理中、蓋の置き方に毎回悩まされていた。

これらの課題を技術で解決できれば、今までにない「美味しくて使いやすい鍋」が実現できると考え、キッチン用品開発プロジェクトで提案しました。

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焦げ付かせてしまった鋳鉄琺瑯鍋

技術的な工夫

  • 軽さと美味しさの両立
    鋳鉄鍋並みの蓄熱性と温度均一性を確保しつつ軽量化するため、ステンレスでアルミを挟んだ3層構造材を採用。重量は従来の鋳鉄鍋の約半分に。

  • こびりつきにくい内面加工
    コーティングに頼らず、自動車のエンジン部品などで使われる微細な凹凸加工を内側のステンレス表面に施すことで、こびりつきにくく傷もつきにくいという性能を実現。この独自技術を「ファインリップル仕上」と命名。

  • 蓋のスタンド機能
    蓋のハンドルをスタンドとして機能させ、置き場の悩みを解消。

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開発の苦労と試行錯誤

  • ファインリップル仕上の適用
    エンジン部品などで実績のある表面加工を鉄フライパンで試した際は期待した効果がなかったが、鍋内側のステンレスで予想以上の性能を発揮し採用。

  • デザインの実現
    従来のキッチン用品とは異なる斬新なデザインを成立させるため、持ち手や蓋の取手の設計に苦労。特に蓋の取手は3Dプリンターで試作を重ね、角度や位置を最適化。

  • 蓋の使いやすさ
    蓋を立てる際、蓋裏面の水滴が垂れないように、試作では蓋裏面に汁受けを用意したが、ファインリップル仕上によって蓋裏面の水はけが良くなり、汁受けが不要となり製品では削除。

  • 洗いやすさの追求
    蓋裏のネジ頭をなくし、凹凸や隙間を減らしたことで、洗いやすさを追求。

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こびりつきにくいファインリップル仕上
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凹凸や隙間がなく洗いやすく、水はけも良く、立てられる蓋

おわりに

GRASTONE POTTは、鋳鉄琺瑯鍋の不満を解消し、美味しさと使いやすさを両立した新しいキッチンツールです。自動車エンジン部品などの技術を応用し、細部までこだわり抜いた製品に仕上げました。

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